司法書士に聞いた!クレジットカードは過払い金請求できるのか?

司法書士に聞いた!クレジットカードは過払い金請求できるのか?

クレジットカードのキャッシング枠もアコムなどの消費者金融と同じように過払い金請求ができるということをご存知でしょうか?貸金業法改正前には、利息制限法の上限金利を超えてキャッシングを提供していたカード会社も多くありました。

先生!過去にクレジットカードを利用していた場合って過払い金請求できるんですか?

できます!ただし、クレジットカードのキャッシング枠のみが対象でショッピング枠はできません。

なるほど…、ショッピング枠はいくらカードを使っても過払い金は発生しないんですね。

そうです。それでは、クレジットカードの過払い金請求について詳しく説明しましょう。

クレジットカードの過払い金請求はキャッシング枠のみが対象

クレジットカードにはキャッシング枠とショッピング枠があり、このうち過払い金請求ができるのはキャッシング枠のみでショッピング枠は対象外です。貸業法改正前に利息制限法を超える金利でキャッシングを利用していた場合は過払い金が発生している可能性があります。クレジットカードのキャッシングはコンビニなどのATMで銀行のキャッシュカードと同じ感覚でお金引き出せる便利な機能。キャッシュカードで引き出すお金は自分の貯金ですが、クレジットカードで引き出すお金はアコムやプロミスといった消費者金融で借入する「借金」と同じで利息が付くので過払い金請求ができるというわけです。いずれのカード会社も2007年から金利の改定を行っているので、2007年以前にキャッシングを利用していた方は過払い金が発生している可能性が高いでしょう。

カードのキャッシングで過払い金が発生している可能性のある事業者
レディセゾン(セゾンカード)、エポスカード、オリエントコーポレーション(オリコ)、イオンカード、セディナ、アプラス、ライフカード、OMCカード、三菱UFJカード、クオーク、JCBカード など

キャッシング枠は借金と同じだから過払い金請求ができるとわかりましたが、なんでショッピング枠はできないのか詳しく教えてください!

キャッシング枠は借金ですが、ショッピング枠は借金ではなく、カード会社が代金を一時的に立て替えているだけで利息は発生していないからです。

でも、リボ払いや分割払いで購入した場合、手数料が取られているんですが、これはカード会社に支払っている利息ではないんですか?

いい質問ですね!手数料は利息ではないんですよ。過払い金請求は払い過ぎた利息に対して行われるものだから、手数料には適用されないんです。

ショッピング枠は過払い金請求できない理由
ショッピング枠は、法律上は「借金」ではなく「立替金」です。借金には利息が付きますが、立替金には利息ではなく手数料が付きます。過払い金請求は利息制限法に違反した、「払い過ぎた利息」に対しておこなうことができるものなので、立替金の手数料には適用されません。キャッシングのリボ払いは過払い金請求出来ますが、ショッピングのリボ払いや分割払いで取られている手数料は上記と同じような理由で過払い金請求できません。

クレジットカードのキャッシング枠で過払い金が発生していて、ショッピングの利用残高がある場合は、過払い金を利用残高の支払いに充て、残った分を請求します。例えば、ショッピングの利用残高が50万円あり、過払い金が100万円発生していたとすると、過払い金の100万円から50万円をショッピングの利用残高に充て、残った50万円が手元に戻ります。ショッピングの利用残高があるから過払い金請求ができないということはありません。逆に過払い金でショッピングの利用残高が支払いきれない場合は、残った分を支払わなければなりません。

クレジットカードの過払い金請求の時効

過払い金請求の時効は、最後に取引をした日から10年です。
しかし、クレジットカードの場合、年会費を支払っている期間は取引が継続していると見なされる可能性があります。つまり、完済した後も年会費を支払っていた場合、最後に取引をした日が完済日になるのではなく年会費を支払った日になる可能性があります。実際に岡山地方裁判所で、「クレジットカードでの借金の完済から2~3年の間、年会費を支払っていて、その後解約した場合、最終取引日を借金の完済日ではなく、解約をした日」とする判決がでました。ただし、法律で明確に決まっていないので素人では判断が難しい問題です。弁護士や司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

カード会社に過払い金請求をした場合、クレジットカードを利用できなくなる

クレジットカードの過払い金請求をした場合、請求先のカード会社が発行するクレジットカードは利用できなくなります。キャッシング枠だけはなく、ショッピング枠の利用もできなくなります。ETCなども同様です。光熱費や携帯電話の料金などをカードで引き落としにしている場合は過払い金請求をした時点からできなくなるので、事前に変更しておく必要があります。過払い金請求をしたカード会社以外が発行するクレジットカードは、その後も問題なく使えますのでご安心ください。

クレジットカードの過払い金請求はキャッシング枠のみでショッピング枠は対象外です。2007年以前にキャッシングを利用していた場合は過払い金が発生している可能性が高いでしょう。
クレジットカードの過払い金請求の時効は最終取引日から10年。ただし、年会費を払い続けていた場合は、完済日ではなく年会費を支払った日が最終取引日になる可能性があります。
過払い金請求後は請求先の発行するカードはショッピングやETCなどの機能も利用できなくなります。
クレジットカードの過払い金請求はいつが最終取引日になるかなど、素人では判断が難しいので、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

クレジットカードの過払い金請求についての参考サイト

弁護士法人きわみ弁護士:クレジットカードは過払い金の対象?返還請求の注意点と業者一覧

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