アエルの全盛期は莫大な利益を得ていた

アエルの全盛期は莫大な利益を得ていた

消費者金融は、お金が少し足りないと思う時に手軽に借りることができる、とても便利なところです。
現在では、消費者金融は利用者の立場を考慮したサービス展開や、大手銀行がバックについているので、企業としての信頼を得られるようになりました。
そのため、お金を借り過ぎてしまう人も多くいます。
しかし昔はこのようなシステムも無く、消費者金融はかつて街金と呼ばれ今とは全く違う雰囲気でした。
バブル期に一世を風靡した消費者金融アエルが、どのような消費者金融だったのかを紹介します。

アエルとは

アエルは現在廃業をし、営業をしていない会社ですが、世間では口コミや会社の詳細がたくさん残っています。
このことから昔はアエルが金融業界に大きな波紋を持ち、中心的存在にいたことの証明となります。
実際のところ、全盛期には多額の利益を得ていましたので、ランキング上位にいたこともあります。
そのアエルですが、1969年に山一物産株式会社として設立されます。
その後、1983年に日立信販株式会社に社名を変更し、自動契約機ひタッチくんを導入します。
ここまでの社名を聞いてまず、思うことがあると思います。
まず山一物産株式会社という社名や日立信販株式会社という社名は、ともに国内の大手企業の社名に似ているという点です。
多くの方が山一證券、日本信販、日立の系列会社であると勘違いをしてしまいます。
当然のことながら、これらの大手企業とは全く関係が無いことは言うまでもありません。
案の定、自動契約機ひタッチくんは日立グループから名前が似すぎている、と訴えられてしまうほどでした。
そしてその後、裁判を巡り無罪判決となりましたが、社名をアエルに変更して再出発を図ります。
しかしそのような状況の中で、1999年にアエルのメインバンクである東京相和銀行が破たん、さらに主な借入先であった東邦生命も経営難となり破たんしてしまいます。
相次ぐ借入先の破たんによって、アエルは資金難に陥ることになります。
そしてアエルは関連会社であるナイスとともに多額の負債を抱えることとなり、2003年にローンスターグループの傘下に入るのです。

ローンスターグループ

ローンスターグループは、1997年以降日本国内でも多数の企業の買収に関わる、アメリカのダラスを本拠地とする投資ファンド会社です。
金融業界は2006年に貸金業法が改正され、金利の上限や借入額が制限されるようになり、業績が悪化していきます。
そして同年に貸金業規制違反により、財務局から業務停止命令を受けてしまうのです。
その後、過払い金請求が増加し資金繰りがますます悪化することになります。
そして2008年に民事再生法の手続きを行い、事実上倒産の道を辿ることになりました。

アエルの審査

アエルは、借入件数8件以上でも借入が可能など、現在では到底考えられないほどの審査の柔軟性がありました。
アエルを利用する方は多種多様な人がおり、それぞれ属性が異なりますので一般の方でも同様であるかは分かりません。
しかし、少なくとも信用情報機関に情報が残っている人、つまりブラックリストに登録されている人でも新規借入できる可能性が高い審査基準としていました。
そのため借金返済中の人でも、何度も再借入れをしている人でも、ダメもとで申し込んだら借入れできたという口コミも多く見られます。
また審査基準も、家族のことや家のことを細かく聞かれたという情報もありますので、ズサンな審査というわけではなさそうです。
しかし、在籍確認を必要以上に行うといった話もあります。
現在において在籍確認を行う際にはどの会社も十分な配慮を行い、また敏感に対応を行っていますので、この辺りは時代を感じるところです。
一方で審査にあっさり断られたという方もいるようですので、何を基準に審査結果を決めているのか分からない部分もあります。
ここは現在の審査基準も似たような点がありますが、少なくとも必ず借入れできるわけでもないようでした。
しかし借入先に困っていた人にとっては、少しでも借入れできて救われた、という人も少なく無かったのではと思われます。

アエルに過払い金請求

アエルは実質倒産してしまいましたが、過払い金の返還請求が不可能なわけではありません。
アエルは、2000年代前半にかけて右肩上がりに繁盛した外資系の消費者金融で、過去に29%を超える高い金利で貸付けを行っていました。
そのため、過払い金請求が増加したことで有名な金融機関です。
結果として2008年には民事再生法を適用し、事実上の倒産をしてしまいました。
民事再生手続き以前と以降の過払い金に関しては、過払い金の配当率が異なっていることに注意する必要があります。
もしも民事再生手続き以前、つまり2008年3月26日の時点で取引があった場合は、過払い金の6.812%の回収が可能となります。
この回収率から全額取り戻すことは不可能という数値ですが、過払い金請求をすれば、少なくとも6%は戻ってくることになるのです。
この数値は民事再生手続が始まった当初、書面決議と債権者集会によって債権者への返済範囲が確定されました。
この時は5%と決定していましたが、2012年8月に見直しが実施され、現在の6.812%となったようです。
次に、民事再生手続き以後に取引があった場合について、です。
こちらについては、共益債権として全額を請求できます。
いずれにしても個人で過払い金の請求をするのは専門的な知識が要求されるため、過払い金請求が得意な専門家に相談することをおすすめします。

アエルへの過払い金請求の流れ

アエルへ過払い金を請求するために必要な手続きですが、基本的な流れは取引履歴の開示請求→法定利率での引き直し計算→過払い金返還請求→和解交渉となります。
アエルの場合、民事再生手続き以前の過払い金に関しては6.812%の回収が必ずできます。
そのため通常の過払い金請求とは異なり、貸金業者との和解交渉が不要となりますので、比較的簡単な手続きと言えます。
民事再生手続き以降での過払い金請求については、全額の返還請求が可能となりますので、通常請求同様に相手方との和解交渉が必要となります。
ただし、アエルはJPモルガン信託株式会社、ネットカード株式会社、エヌシーキャピタル株式会社と債権譲渡が行われている点に、注意を置く必要があります。
このこともあり返済窓口はアエルとなるのですが、民事再生申立をした以降の債権については、請求先が異なるのです。
具体的には、2008年3月27日~4月29日まではアエル、2008年4月30日~6月24日はJPモルガン株式会社、2008年6月25日から現在まではエヌシーキャピタルに全額請求ができることになります。
いずれにしても、実際には過払い金対応をエヌシーキャピタルが行い、支払いについてもエヌシーキャピタルが行うこととなります。
当然のことながら、こちらは全額支払いの意向はなく、債権額の2割程度での交渉をしてくるようです。
もしこの額で和解をした場合、後日その内容で再び争うことは難しくなりますので注意が必要です。
和解内容に納得ができない場合は粘り強く交渉を継続していくか、さらなる訴訟も視野に入れる必要があります。
ちなみに、エヌシーキャピタルは資金不足を理由として満額の支払いを渋ってくる傾向がありますが、民事再生をしているアエルと比較すると、取り戻せる額は大きくなることは間違いありません。

アエルへ過払い金請求を行う場合、民事再生手続きというキーポイントにより難易度が上がります。
民事再生手続き以降での過払い金請求を行う場合は、間違いなく個人での請求は困難を極めるでしょう。
そのため、少しでも返金額を多くしたいのであれば、迷わず専門家に相談をした方が良いと言えます。

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