しんわに自分で過払い金請求するには?失敗しない方法・手順と注意点

しんわに自分で過払い金請求するには?失敗しない方法・手順と注意点

連日のように消費者金融のテレビCMが放映され主要な駅前などには多くの無人契約機が立ち並んでいた2000年前半、タレントのほしのあきさんを使って「あんしんはしんわ」というキャッチフレーズのテレビCMを思い出す方も多いでしょう。
黄色い人型をモチーフにしてガッツポーズをしたイメージキャラクターの看板は当時、至る所に見受けられマルフクの看板同様記憶にある方も多いでしょう。
しんわは武富士やアコムのような消費者金融最大手ではなく中堅型の規模で貸付を行ってきました。通称無人ATMとも呼ばれるビルがあちこちにあったように、しんわもその波に乗り無人ATM総台数12000台を設置しグレーゾーン金利を適用して貸付を行ってきた過去があります。
そんな中堅消費者金融に該当するしんわへ個人で過払い金請求を行うための注意点や現在の状況、回収率などを紹介していきますので参考にされてみて下さい。

しんわの過払い金請求の対象期間と当時の金利は?

しんわは当時10日間の無利息キャンペーンや即日融資を謳い限度額は500万円枠、返済方法は借入金額スライドリボルビング方式で貸付を行っていました。またしんわの商品の特徴として目的別のローンが豊富で事業者ローンをはじめ学生、結婚、出産、自動車など多くの商品がありました。
ただ実質年率は15.0%~29.2.0%というグレーゾーン金利ギリギリで貸付を行っていたため過払い金が発生している可能性が高い業者の1つでもあります。

しんわの過払い金請求で多い傾向や特徴

しんわとは

しんわは福岡市を拠点とする中堅型消費者金融で九州各県をはじめ中国、四国地方を中心にテレビCMを放映してきました。
佐世保市に本店を置く親和銀行とは全く関係がなく福岡銀行とのつながりが強かった企業です。

しんわの直近の経営状況

結論から言いますと経営状況は決して芳しい企業ではありません。2007年に貸金業法の改正が完全施行され過払い金返還へ250億円も金額を計上したため赤字へと転落。
2007年に新規貸付は停止しその後の2012年に新規貸付を再開したとありますが、これはあくまでも名目に過ぎず現在は全ての店舗を閉鎖し移転した本社1社のみがひっそりと経営再建を計っているのが現状です。

しんわの過払い金請求の対応、特徴

経営状況が日々悪化しているため任意交渉による話合いだけでは満額回収するのはほぼ不可能です。早期の和解になると実に5割程度の和解案しか提示してこない傾向が見られます。
そうなると長期化が予想される訴訟提起をする事になりますが、しんわ側はあくまで徹底抗戦の構えを崩さずに、しんわ側から控訴されるなどさらに期間の長期化が予想されます。
ただ返還されるまでの平均期間は任意交渉、訴訟と共にそれほどの期間の開きはありませんのでしんわに過払い金請求を行うなら訴訟で解決した方が良いかも知れません。

しんわに過払い金請求したらいくら戻ってくるかの目安(返還率)

◇裁判(訴訟)を起こさず、話し合いにより和解した場合
50%~80%

◇裁判(訴訟)を起こした場合
90%~

しんわから過払い金が戻ってくるまでの目安(返還期間)

◇裁判(訴訟)を起こさず、話し合いにより和解した場合
6ヶ月~

◇裁判(訴訟)を起こした場合
7ヶ月~

しんわに過払い金請求するデメリット

しんわを利用できなくなる

しんわは2005年に赤字に転落し2012年に本社のみで貸付も行わず過払い金の対応のみを行いながら経営再建を計っているのが現状ですので、しんわから借入の利用する事すら今はできません。
むしろしんわから過払い金を請求できるメリットしか現在は残っていないため過去にしんわと取引があった方は迷わず過払い金請求を起こす事が大切です。

しんわに返済中で過払い金請求する場合はブラックリストに注意

借金が残る場合は信用情報(ブラックリスト)にのる

2005年の大きな負債を抱え貸付も行っていない首が回らないほどの経営状況のしんわを現在も利用している方は皆無に等しいでしょう。
あくまで現在も借入があり借金が残っている状況での過払い金請求で発生した過払い金よりも借金の方が多く残った場合のみ任意整理とみなされ個人情報がブラックリストに登録されることになりますので、今回のしんわのようなケースでの過払い金請求ではブラックリストに登録される事はまずありません。

過払い金で借金がゼロになれば信用情報(ブラックリスト)にのらない

現在、消費者金融と取引がある方が過払い金請求を起こす場合に発生していた過払い金の額が借金の元本を上回ると借金も無くなりさらに払い過ぎた利息分として過払い金が手元に戻ってくる事になります。
もちろん事故情報や不名誉な取引記録としてブラックリストに登録される事も一切ありません。

まずは過払い金がいくらあるか、計算してみてから検討しよう

弁護士や司法書士などの専門家に依頼する事でいくら過払い金が発生しているのかの計算を行ってくれますが、個人でも行う事はできますし最近では無料で過払い金の計算をおこなってくれる大手弁護士事務所もありますのでそちらを利用されると良いでしょう。

しんわに過払い金請求する注意点

関連業者からの借入れも完済していないとブラックリストにのる

消費者金融のしんわは事業者ローンや消費者ローンなど豊富な商品で貸付を行ってきましたが、関連会社もいくつかありますので過払い金請求の前に覚えておくと良いでしょう。
 
➀親和クレジット
➁株式会社信和クレジット
➂株式会社信和総合商社
➃株式会社たかせんマリンカード

しんわに過払い金請求する流れ

【1】しんわから取引履歴を取り寄せる

取引履歴の取り寄せ方

電話連絡にてしんわの担当者に問いあわせする事から始まります。しんわと取引があったのはかなり以前の方が多いので当時の状況や住所、勤務地などを正確に伝え自分の取引履歴を送ってもらう必要があります。
悪質な業者など一部はこの取引履歴さえ開示する事を渋る事例も報告されていますが、取引履歴は債権者に認められた権利となりますので要求しても構いません。

弁護士や司法書士に依頼した場合、取引履歴の取り寄せからやってもらえる

個人ではなく弁護士や司法書士などの専門家に依頼すれば当然取引履歴の取り寄せも行ってもらえます。
過払い金請求ではこの取引履歴無くしては話が進まず訴訟の際にも必要な書類となりますので、依頼した後司法書士事務所から確認のため当時の住所や勤務先など折り返し電話で確認される事もあるほど重要な書類となります。

【2】過払い金の計算(引き直し計算)をする

引き直し計算とは

取引履歴を取り寄せるまで約1か月程度かかりますが、自宅に郵送されたら次は引き直し計算を行います。引き直し計算とは借入の金額に対し利息制限法の改正で変更された正しい利率の払い過ぎたお金(過払い金)がいくらあるのかを計算する方法を言います。
正しい利息は以下を参考に。
 
10万円未満     年20%
10万円以上~100万円未満 年18%
100万円以上     年15%

無料の引き直し計算ソフト紹介(TDON、名古屋式、外山式)

専門家に依頼するのではなく個人でもフリーソフトを使用すれば引き直し計算を行う事ができます。
無料ソフトはMicrosoftのExcelが必要です。どのフリーソフトを利用しても結果を算出することができますが、よく使用されているのは外山式と名古屋式というフリーソフトでどちらも無料で使用する事ができます。
名古屋式を提供している名古屋消費者信用問題研究会は、過払い金請求に対する著書も多く出しており個人で過払い金請求を起こす方の為にマニュアルも多く出していますので気になる方は読んでおく事をお勧めします。

【3】しんわへ過払い金返還請求書を送る

過払い金返還請求書の書き方、出し方

引き直し計算が終わるとしんわへ請求書を送りますが、必ず内容証明郵便で送ったという証拠を残し以下の内容を含めて下さい。
 
・引き直し計算の結果

・過払い金の請求金額

・振込先の口座番号

・支払い期日

・返済に応じなかった場合の訴訟の意思表明

請求書の作成にはwordでフォーマット作成する事をお勧めします。

【4】電話での話し合いによる交渉(和解交渉)

過払い金返還請求書を送ったのち、しんわの担当者と電話で交渉する

専門家による交渉ではなく個人で交渉を行う場合一番重要なポイントが電話交渉にあります。しんわは紹介してきた通り経営状況は日々悪化していますのでこの電話交渉だけで満額回収できる見込みはほぼありません。
個人だからと最初は極端に低い額で和解案を提示してくる事も予想されます。訴訟に至れば8割~9割程度回収できた事例も報告されていますので2~3割程度で決して妥協はせずに、相手側がどのような出方をするのか参考にする程度で良いでしょう。

自分で過払い金請求する場合、ここで減額交渉されるので注意

しんわ以外の消費者金融も同じですが最初の電話交渉にて満額を提示してくるところは1つもありません。期間が短くなるなどを誘い文句に減額交渉してくる事は目に見えています。
しんわのケースでは和解による交渉と訴訟を起こしても期間はそれほど変わりませんので容易に首を縦に振る事はやめましょう。

強い意志をもって要望を伝える、粘り強く交渉することも必要

しんわのケースでは経営状況の悪化から過払い金請求を起こした方に対してこの額で和解できなければ明日、明後日倒産したらもっと少なくなるなど不安を煽るやり方も確認されています。
倒産するという不安を煽りながら現在はひっそりとHPを開設し経営再建を計るのが狙いですので話合いで解決できなければ訴訟の準備を開始しましょう。

労力のかかる交渉ごとを代理で引き受けてもらえる

弁護士や司法書士に依頼した場合の一番のメリットはここ。経験、実績ある専門家であれば貸金業者側の減額交渉にも慣れているので不当な減額を受け入れず、また、引き際も心得ています。
九州や中国、四国を中心に展開してきたしんわとなりますので専門家に依頼するならしんわから過払い金請求を多く回収できた実績のある事務所が良いでしょう。
業者によって交渉術や駆け引きを変え1円でも多くの過払い金の回収を目指すなら専門家に依頼してみる事も良いでしょう。

【5】過払い金返還請求訴訟の提起(裁判)

裁判に必要な書類

過払い金請求訴訟には以下の書類が必要になります。
 
➀訴状
➁証拠説明書
➂取引履歴
➃引き直し計算書
➄登記簿謄本(資格証明書)
 
➀と➁はダウンロード形式で雛形から入手できますので空欄を埋めるだけでOKです。

裁判はだいたい平日の午前中におこなわれる

裁判は概ね月に1回、平日の午前中に行います。土日や祝祭日には行われない為個人で裁判を起こす方は覚えておきましょう。

弁護士や司法書士に依頼すれば裁判も代理でやってもらえる

弁護士や司法書士などの専門家に依頼すれば裁判も代理で行ってもらえますし、必要な書類の準備、作成も全てお任せする事ができます。

【6】過払い金額の和解交渉

裁判と並行して裁判外でも和解交渉を進める

過払い金請求では債務者、業者双方共裁判まで発展する事は望んでいません。よほど低い金額の和解案しか提示してこない業者なら別ですが、裁判外でも和解交渉を進めていく事になります。

納得いく金額、日程の提示があれば判決を待たずに裁判外で和解が成立する場合もある

訴訟を起こした場合は判決で終止符が打たれますが裁判外での和解交渉で納得できる和解案やプラス5%の利息分まで付けて返還するなど和解が成立する事もあります。

【7】過払い金の返還

裁判で勝訴し、裁判外で和解がまとまれば、過払い金が返還される

判決が確定すると後少しです。決められた日時までにいくら返還するという判決は絶対効力を持ちもう業者はそれに従うしかありません。
ただ経営が悪化している業者の中には一括は厳しいので分割でお願いできないか、半年ごとに半分ずつで支払うなど業者によって返還の仕方も色々あるようです。

弁護士や司法書士事務所に依頼した場合、そこから報酬が引かれて事務所から振り込まれる

個人で過払い金請求を起こす際には必要ありませんが、専門家に依頼する事で当然費用が掛かります。中でも大きな費用の割合を占めているのが過払い金返還成功報酬で事務所により相場は異なりますが、平均20~25%となっています。

つまりは100万の過払い金が回収できたに対し手もとに返還されるのは75万~80万となるわけです。過払い金が多く発生しているとその分過払い金返還成功報酬として費用も多く掛かりますので検討してみると良いでしょう。 

自分でやる余裕がない、難しいと感じた場合は無理をせず途中からでも弁護士や司法書士などの専門家に相談しよう。
しんわのような経営状況が厳しい会社では個人の和解交渉だけで満額回収できる事はほぼ不可能となりますし、多くの時間と労力、ある程度の知識も必要となりますので確実に納得できる過払い金の回収を目指すなら無理せず専門家の力を借りてみる事をお勧めします。

しんわの会社概要

企業名 株式会社しんわ
旧社名 株式会社信和クレジット

福岡県福岡市中央区天神1-14-16
福岡三栄ビル4F

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